内燃機関自動車の慣らしについては諸説あって
「これが決定版」
という情報がないのが実情です。情報があてにならないのではなく、どの方法を選ぶかがわからない。
米国のネット記事には
「低負荷・一定回転で長時間運転するとシリンダー内壁につるつるの膜ができてしまって(glazing)致命的な悪影響が生じる」
という内容のものをけっこう見かけます。以前(1970年代)までの機械加工では部品相互の「当たり」が出ていないので低負荷・低回転でゆっくり接触面をなじませていくことに意味があったが、それ以降では加工精度が飛躍的に改善され、ピストンも熱膨張を加味した寸法で作られているので以前の意味の「慣らし」は不要になったという内容です。
新時代の慣らしは
「燃焼圧力によってピストンリングを押し広げ(くさび形状のため圧力がかかると直径が広がる)シリンダー内壁に押し付けることで酸化したオイルがシリンダー内壁に付着するのを防ぐ」
のが目的だという記事を見かけます。そのためには
・爆発圧力はあまり高めず
・回転数を変化させ
・エンジンブレーキも積極的に使って
・ピストンリングをシリンダー内壁に様々な条件で押し付ける
ことが必要だとのこと。
自動車メーカー各社でも取扱説明書の慣らしの項目は内容が異なっています。ということで、あまり神経質にならなくてもよさそうです。
ヤリスの慣らしはだいたい以下のようにしてみようと思っています。
300km まで 2,500rpm を上限、スロットルはごく軽く。軽自動車に負けるくらいの加速で。
800km まで 3,000rpmを上限、スロットルは半分程度まで。周囲の流れに無理なくついていける程度。
1,300km まで 5,000rpm を上限、全開は避ける。
1,500km まで 6,500rpm まで使い、全開の機会を作る。回転数や負荷を変化させる。
これは中古車販売店 TORINO CARS のブログ記事「エンジンにとってベストな慣らし方法とは」に従ったものです。
glazing を防ぐために負荷をかける方法は航空機エンジンの Lycoming 社のサイトに記事がありました。自動車とは使用条件も違うので参考程度に読みました。
Hard Facts About Engine Break-In
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